KUSANAGIで構築したサーバにはPostfixも導入されます。
【Postfixとは】
メール転送エージェント (MTA)。メールを転送したり指定のディレクトリに移動したりできます。メールをトリガにプログラムを走らせたりもできるのでなにかと便利。
WordPressで作ったサイトの「お問い合わせメール」をGmailに転送させたいって感じです。
- 「sample.com」というドメインを取得している。
- 「contact@sample.com」に届いたメールを「△△@gmail.com」に転送したい。
サーバ側にはメールを残さず全てGmailに転送する「転送専用サーバ」とします。
現在の環境
kusanagi –version
→KUSANAGI Version 8.4.0-3
postconf | grep mail_version
→mail_version = 2.10.1
DNSレコードの追加
ホスト名は他のサービスとかぶらないように「mail.」を付けて「mail.sample.com」とする。
「Aレコード」と「MXレコード」を設定する。
お名前.comなら「ドメイン設定」→「ネームサーバーの設定」→「DNS関連機能設定」→「DNSレコード設定」
【Aレコード】
ホスト名:mail.sample.com
TYPE:A
TTL:3600
VALUE:【サーバのIPアドレス】
【MXレコード】
ホスト名:sample.com
TYPE:MX
TTL:3600
VALUE:mail.sample.com
この設定で「○○@sample.com」に届いたメールは「mail.sample.com」に転送され、更に
[サーバのIPアドレス]が返される。
Postfixの設定
ここからはKUSANAGIで編集。
Postfixの設定ファイルは「/etc/postfix/main.cf」
【最低限の設定項目】
myhostname = mail.sample.com #MX レコードに登録したホスト名
mydomain = sample.com #受信するメールの@以降の部分
inet_interfaces = all #メールを受信するネットワークインターフェースを「全て」にする
mydestination = $myhostname, localhost.$mydomain, localhost, $mydomain #mydomainのメールを受信できるようにする
alias_maps = hash:/etc/aliases #エイリアスの設定
Postfixを再起動して設定反映
systemctl restart postfix
ポートの開放
KUSANAGIはCentOS7なのでファイアウォールは「firewalld」で管理されています。
メール受信のため25ポートを開けます。
firewall-cmd –add-service=smtp –zone=public
firewall-cmd –reload
エイリアス設定
転送専用なのでメールアドレスのためたけのLinuxユーザーの作成は不要。
エイリアスを設定する。
設定ファイルは「/etc/aliases」
一番下にでも下記を追記する。
contact: △△@gmail.com
ついでにrootに届くメールも転送しておく。
サーバのエラーメールとか飛んでくるし。
root: △△@gmail.com
エイリアスを反映
newaliases
まとめ
コレで「contact@sample.com」に来たメールはPostfixがエイリアスを見て「△△@gmail.com」に転送してくれるようになります。
複数ドメインでの転送設定や独自ドメインのメールアドレスを使ったGmailからの送信などはまた後日やろう。