Webサイトの表示速度の重要性が増している。
さくらのレンタルサーバ、MixHostで運営中のWordPress 計5サイトを「KUSANAGI for さくらのVPS」に移行する。
もくじ
Q:KUSANAGIって何よ? → A:WordPress特化サーバみたいなもん
WordPressはPHPで書かれたアプリケーションで、LinuxやWindowsなどのOSの上で動いている。
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OSはWordPress以外にも使えるように汎用的に作られている。
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汎用なのでWordPressで使う機能以外もてんこ盛り。
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無駄な機能が多くて動作が重い。
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んじゃWordPressに使うところ以外はバッサリ切り捨てよう!
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OSレベルでWordPressに最適化した環境。それがKUSANAGI。
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ありえんぐらい早い。
色々間違ってるけど大体こんなイメージでOK
公式サイトもめっちゃ早い。しかもキャシュは使っていなくてコレだという。
kusanagi.tokyo
こちらはKUSANAGIとKUSANAGIに最適化されたテーマを使ったサイト。
godios.simmon.design
異常に早い。
この速度ならAMP対応しなくても良いんじゃないか?と思える。
KUSANAGIのメリット・デメリット
メリット
これだけ早ければそれだけで検討の余地はあるけど、速さ以外にもメリットが。
お手軽に最速環境
キャッシュなど利用した「WordPressの高速化」にくらべ「OSレベルの高速化」なので効果が段違い。しかも仮想マシンのイメージをサーバにインストールするだけで環境を構築できる。
無料
KUSANAGIは無料で公開されている。また無料のSSL証明書も利用できる。
主要なクラウドサービス、VPSで利用可能
AWS、Microsoft Azure、さくらのVPSなどで利用可能。
kusanagi.tokyo
セキュリティ
KUSANAGIにはWordPress本体、プラグイン、テーマのバージョンアップをすべて自動化させる機能がある。
デメリット
超高速なKUSANAGIですがデメリットも。
一般的なレンタルサーバでは利用不可
OSごとインストールするので、通常のレンタルサーバでは使えない。VPS(仮想専用サーバ:virtual private server)やクラウドサービス、自鯖が必要。
ただしKAGOYA JAPAN WordPress専用サーバだけは例外。レンタルサーバなのにKUSANAGI環境のWordPressが使える。
www.kagoya.jp
セキュリティとメンテナンス
コレが一番心配なところかも。KUSANAGIには自動バージョンアップ機能があるとはいえ、レンタルサーバならホスティング会社が管理してくれる部分を自分で管理する必要がある。
またWordPressが見れない!というようなトラブルもレンサバならWordPressだけチェックすればいいけど、KUSANAGIだとOS、Webサーバ、PHP、データベースなどの問題の可能性もある。切り分けが大変。修復も大変。素人なら積む可能性もあり。
最悪再インストールから始めることになる。
ただしここでもKAGOYAは例外。レンタルサーバなのでWordPressだけ面倒を見れば良い。
www.kagoya.jp
コマンドを使った環境構築
ワンボタンでWordPressをインストールできるレンタルサーバなどに比べて導入の敷居は高い。それでもVPSを一から立ち上げてWebサーバやPHP環境を整え、WordPressを使えるようにするよりはかなりシンプル。
基本的には公式ドキュメントに沿って手順通り進めればOK。でもSSHってなに?というレベルだと学習コストは少し高い。
kusanagi.tokyo
KUSANAGI用のサーバは「ConoHa」?「さくらのVPS」?「KAGOYA」?
AWSなどのクラウドサーバは大げさなのでVPS以下で考えよう。
月額2,000円以下で使うなら「ConoHa」「さくらのVPS」「KAGOYA」が選択肢に入る。
「ConoHa」「さくらのVPS」はローカルネットワークも組めるのでほぼクラウド感覚で使えるのにクラウドよりは安い。
「KAGOYA」はレンサバ感覚で使えるのが最大のメリット。価格も安い。
それぞれについて比較してみよう。
ConoHa
イメージキャラクター「美雲このは」に異常に力が入っている。
conoha.mikumo.com
頑張るところを間違っているような気がする。
さくらのVPS
さくらインターネットが運営するVPS。信頼性の高さが自慢。北海道 石狩データセンターは2018年9月の震災で60時間以上商用電源が落ちたにもかかわらず、ほぼダウンタイムゼロで乗り切った。
ASCII.jp:約60時間を非常用電源設備で乗り切った石狩データセンターの奇跡|大谷イビサのIT業界物見遊山
KUSANAGIに必要なスペック
推奨スペックはメモリ4GB以上となっている。ただ実際そこまでのスペックは不要らしい。
2GBでGoogleアナリティクスのリアルタイム値9000ぐらいには耐えられるらしい。
keikenchi.com
9000って。
ということで2GBで見積もってみる。
ConoHa | さくらのVPS | Kagoya | |
---|---|---|---|
メモリ | 2GB | 2GB | 1〜2GB(可変) |
CPU | 3コア | 3コア | 1コア |
SSD | 50GB | 50GB | 20GB |
初期費用 | 0円 | 2,160円 | 0円 |
1ヶ月あたりの料金 | 1,750円 | 月払い 1,706円 年払い時 1,564円 |
432円 |
WordPressの複数インストール | OK | OK | 不可 |
自動バックアップ | 上限50GB:300円/月 | 公式サービスなし | 上限10GB:無料 上限20GB:540円/月 |
KUSANAGIコマンド | 使用可 | 使用可 | 使用不可 |
各サービスの雑感
Kagoya
1サイトで1契約必要。運営中の5サイトを全部引っ越すと5契約必要になってくるのでコスパがとても悪い。
スペック的にはリルタイム3000ぐらいまでなら最安のスペックでも十分なはず。難しいインストール作業も不要なので1サイトならKagoyaが手軽かも。
ConoHa
わるくない。特に悪いところがない。でも秀でたところもない感じ。
信頼性ではさくらのVPSに劣るイメージ。しかもコスト的にもさくらのVPSに負けている。
さくらのVPSに勝っているところといえば、有料ではあるが自動のホットバックアップ。サーバを停止した状態でのコールドバックアップなら無料で行える。
またスケールアップ・スケールダウンも可能(さくらのVPSはスケールアップのみ)
さくらのVPS
信頼のさくらインターネット。思ったより安かった。初期費用はかかるが年払いにすればコスト差は殆ど無く、2年目からはかなり安い。
欠点はバックアップサービスが有料無料問わず公式では用意されていないこと。
ただConoHa、Kagoyaでも外部バックアップの仕組みは自分で構築する必要があるので手間はさほど変わらないとも言える。
OSごと飛んだ時はConoHaの方が復旧は楽かもしれない。
まとめ
今のメインサイトはMixHostの旧エコノミープラン(メモリ512MB)500円/月。
でもどう考えても、もうちょっとお金をかけたほうが良いw
10月中旬が更新月なので切り替えるにもいいタイミングである。
「さくらのVPS」は6年ぐらい前からVPSを1台契約してるけどノントラブルで動いてくれている。
ということで今回も「さくらのVPS」でKUSANAGI環境を構築しようと思う。