スリランカでレンタルしたトゥクトゥクについて少し詳しく書いておこう。
トゥクトゥクは3メーカーぐらいあったけど90%ぐらいはインドのバジャージ製。
Bajaj RE | No 01 Bajaj Three Wheeler in Sri Lanka | From David Pieris Motor Company Limited
お値段は新車で50万円ぐらい。
英語が話せる大卒でホテル勤務の初任給が2万円ぐらいとのことなので結構な高級品。
スリランカで庶民の足として普及しているトゥクトゥクは自動車ともバイクとも違う少し特殊な乗り物だった。
スペック
出典:Bajaj RE | No 01 Bajaj Three Wheeler in Sri Lanka | From David Pieris Motor Company Limited
エンジン
200cc4ストローク単気筒。
最大出力は7.6Kwなので馬力換算だと10PS。
200ccクラスのバイクなら15〜20PSなのでかなりローパワー。
乗った感じも350Kgもあるのでパワー不足は否めない。
東南アジアで主流の4st125ccのスクーターよりかなり遅い。
そのかわりトルクは17Nmとそこそこ。
しかもわずか3500rpmで発生する。
乗り方としてはブン回すより早め早めにシフトアップしてアクセルをガバッと開けてトルクまかせで走ったほうがストレスが少ない。
低回転はかなり粘る。
エンジンはリアなのでRR。
バイクのような機能美はあまり感じられず農機具のようなクオリティ。
ミッション
1-N-2-3-4のドグミッション。
ベスパのようなハンドシフトで慣れるまではちょっとわかりづらい。
しかしまぁたった200ccのわりにクラッチが重い。
はじめはメンテ不良か?と思うぐらい。
リッターバイクよりも全然車重があるのに油圧式じゃないのも原因かと。
シフト機構がケーブルなのでキマリが良くない感じ。
2-3速あたりでシフトミスが多発した。
ノッチがハッキリしないのでハンドシフトを回しすぎる、回したらないって感じでギア抜けを起こすんだね。
最終的には走行中はクラッチは使わないようになった。
そうすればほぼミス無くシフトチェンジできる。
バックギア
シート右横にあるレバーを引くとバックギアに入る。
通常のミッションとは別機構なのでバックギアでも4段変速できる。
ルームミラーもなく後部の見切りは非常に悪い。と言うかほぼ見えない。
横から頭を出して後ろを確認する感じ。
ちなみにレバーの上にあるのはリザーブタンクの切替コック。
燃料計が付いていないのでリザーブになったら給油する感じ。
燃料タンクは8L+リザーブ1Lぐらい。
実燃費は15〜20Km/L程度。
ブレーキ
フットブレーキのみ。
マスターシリンダーむき出しである。
自動車のようにカカトをつけたまブレーキを踏むような位置にはない。
必ずカカトを浮かして踏む感じ。
となると運転中は常にブレーキには足をかけられない
↓
ブレーキが面倒
↓
出来るだけエンジンブレーキだけで減速
↓
車間距離を開ける
という感じでかってに安全運転。
スリランカのトゥクトゥクが結構のんびり走るのはこのブレーキも遠因かもしれない。
サイドブレーキ
びっくりするぐらい簡易な作りのサイドブレーキ
真ん中の黒いレバーね。
その左にあるのはメインキーのコネクター。
このコネクターを外すとカギがなくても銅線1本でエンジンがかけられる。
セキュリティーも何もあったもんじゃない。
でも旅行中にカギをなくしたのに何とかなったので感謝してるw
直結中
実際に盗難は少ないながらあるらしい。
長時間の路駐はオススメできない。
試乗レビュー
ファーストインプレッションはあまり良いものではなかった。
バイクの機動性もなく、自動車ほどの快適性もないバイクと車の悪いところを組み合わせたようなモノかと思った。
でも実際はバイクに近い価格帯で自動車のような利便性をもたせた乗り物だった。
バイクと違いスコールでも濡れないのはとても助かった。
雨の多いスリランカには適しているような気もした。
ポジションはスクーターのような感じ。
ただ3輪なのでコーナリングはハンドルを押し切りするような感じで慣れるまで結構怖い。
イメージとしてはリーンアウトなんだけど車体は外側に倒れ込んでいく。
あまり無理するとコケそうになるのでオーバースピードでのコーナー侵入は厳禁である。
コーナーはゆっくり。エンジンも非力。
タイヤも小さいので段差や轍の影響も受けやすく、あまりスピードを出す気にならない。
60Km/hも出すと結構飛ばしてる感じになる。
少し郊外に出るとカーブが多く平均スピードは遅い。
そのためトゥクトゥクでも流れに置いていかれるようなことは無くそれなりに走れる。
道路事情
スリランカの道路には信号がほとんどない。
600km走ったが空港近くの大きな街に何箇所かあったぐらい。
信号がない代わりにロータリー式の交差点が多い。
ただあまりちゃんと機能していなくてカオスな状況で慣れるまでは少し怖い。
交通標識も殆どない。
あってもいろは坂クラスのワインディングで「70Km制限」と意味が無いような標識だった。
そもそもそんなに出せないよ。
無理な運転をする自動車、バイクは少ない。
ただバスだけは狂ったように飛ばしている。
出典:Travel by bus in Sri Lanka… the challenge! | Stepping Out of Babylon
急坂ブラインドコーナーで2重追い越しでインを刺されたときはあまりの熱い走りに思わず声が出た。
スリランカのローカルドライバーもバスの危険性はよくわかっているようで、バスが後ろについたらすぐに道を譲っていたのが印象的だった。
1週間の旅行中は一度も検問には止められなかった。
検問はやってたんだけど外国人が運転しているのを確認するとスルーさせてた。
レンタカーで移動する外国人ツーリストはほとんどいないみたいなので対応が面倒だったんじゃないかな?
バリみたいに 「全く違反していなくても難癖つけて賄賂を要求してくる」よりウブな感じで好感が持てた。
カスタムトゥクトゥク
車内の装飾をイジってるトゥクトゥクが結構あった。
出典:Used Bajaj RE 205 2014 Petrol Rs. 150000 Sri Lanka
リアウインドウにステッカーを張ってるのも多かった。
出典:(9) sri lanka modify three wheel – YouTube
マフラーをいじっているようなトゥクトゥクは見なかった。
スペックアップよりシートをおしゃれにしたり見た目重視のカスタムが多かった。
ゲームのプロモーションみたいだけどCBR600のエンジンを積んだトゥクトゥクがあった。
まとめ
トゥクトゥクでのスリランカ旅行は刺激的でとても面白かった。
魚屋と肉屋の生臭さ?腐敗臭?が半端ない通りすがりのローカルマーケットに寄ったり
滝のようなスコールで足止めをくったり
ガソリン不足に巻き込まれたり
急激な腹痛で民家のトイレを借りたり
峠の果物屋さんでバナナを買ったり
スリランカは観光地間が少し離れているのでどうしても移動時間が多くなる。
トゥクトゥクはツーリストカーをチャーターするより効率は悪いだろうけど楽しい旅路になるね。
トゥクトゥクのレンタルならこちら。
pickandgotravels-j.com
日本人スタッフがいるので万が一の時も安心。
でも日本人メインのレンタカー会社ではないので「日本人向け価格」になってないのも良い。
スリランカはマイナー観光地ではあるけど面白かったので是非機会があれば行ってみて下さい。
スリランカ旅行記